「こんな僕でも社長になれた」家入一真(著を読みました

「逃げることは悪いことじゃない」

家入氏は言うけれど、「こんな僕でも社長になれた」のなかの家入氏は「ちっとも逃げていないじゃん!」な、気がします。むしろちゃんと闘ってる。

一見、弱々しく、でも闘いながら武器を磨いてる。プログラミングにのめり込んだり、読書に明け暮れたりということは武器を磨くことにほかならなくて、でも、社会との関係を断つ、断っているというただ一点においては「逃げている」のかもしれない。

けど、人や仲間や愛情への渇望を決して失わないのだから、社会との関係はやっぱり失われていないのだな、と勝手に納得します。感情と行動が自分の中へ内へと向いているだけなのだよね。でも、実はその状況が厄介なのであって、これを外に、大多数の人にとっての社会の方に向け直すためには、なかなかにセンセーショナルな刺激がないと難しいと思うのです。

で、家入氏。そのセンセーショナルな刺激にしっかりと遭遇してしまう。多分、求めているから引き寄せられたのだろうね、なんて訳知り風に書くのは止めよ。書いたけど。

で、家入氏。今、自分がそのセンセーショナルな刺激になろうとしているのではないかな?自分を社会に引き戻すきっかけをくれた変人、変態になって、行き場のない心や、行き場のない人達そのものを包みこんで、背中を押してという存在になろう、いや、もうなってるから、そうであろうとしているのではないかな?なんて訳知り風に書くのは止めよ。書いたけど。

全国に増殖するリバ邸は、家入氏が住み込みで働いて、変人たちと出会った場所の再現なんだろうな。彼自身はいくつかの偶然の末に「その場所」に巡りあったけど、最初からそんな場所があったらいいな、じゃあ作ればいいじゃんてことで、旗振って作ってるんだろうな、なんて訳知り風に書くのは止めよ。書いたけど。

リバ邸
https://www.facebook.com/Liverty.temple

今はソーシャルメディアで発信すれば、どこにどうして逃げたら良いのかもわからない人たちに届くから、彼は一生懸命に発信してる。「怖がらなくていいよ。おいでよ。」って呼びかけてる。もっとたくさんの人に届けたくて動きまわってるのだろうな、なんて訳知り・・自粛

この人、何人かの命救ってるでしょ。

1時間ちょっとで読めるから読め。
なんか知らないけどスッキリするよ。

僕自身は、家入さんよりも随分と年を食ったおっさんなのだけど、おっさんこそ読んでみるといいかもね、って思います。特に会社とか社会の常識に従順に生きてきた種類のおやじたちはね。自分自身どっちかといえば、そういう種類なのだけど、はっきり言って、僕らの信じてきた倫理観や常識とか言葉とか行動で人の命は救えないぜ。殺すことはできるけど。って思います。

もしかしたら、生きてたら必ずどこかのタイミングで社会との関係が途絶えてしまうことはあるのかもしれない。自分のせいかどうかは別としてね。そうなった時にどうやって生きる?とか、どうやってもう一度社会とつながる?とか、そんなモヤモヤにヒントをくれる本のような気もします。特に会社=社会みたいな人って辛いじゃない?仕事失うとさ。なんて訳知り顔で書くのは僕が今そういう状況だからだよ、と。

悩めるおっさんの駆け込み寺。
むさくるしくて絶対やりたくねぇな。

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