現役騎手がJRAを痛烈批判!しかしその本心は・・「騎手の一分」読後感
ジャパンカップダートはインカンテーション軸、ベルシャザール対抗、ホッコータルマエは完消という冒険をしてみましたが不発でした。確定後にベルシャザールからワンダーアキュートの馬単が98.1倍と知って、概ね卒倒。
もう馬単しか買いません。
藤田伸二騎手の著作「騎手の一分 競馬界の真実」を読みました。
馬券を買っている馬が、何ら見どころなくレースを終えてしまったら腹が立ちますね。騎手を罵ってしまうこともしばしば。
「ノリさん?ノリさ~ん。頼むよノリさーん。」
口癖です。。
しかし、この本を読んだ後の前開催。たいへんよく負けたのですが、一度も騎手を罵ることなく終了することができました。
「騎手の一分」はそんな本です。
ちなみに、この本を読んでも馬券下手は改善されません。
藤田伸二騎手について知っているほんの少しのこと
ヴィクトワールピサが優勝した2011年のドバイワールドカップ。そのレースの2着はトランセンド。騎手は藤田伸二でしたね。東日本大震災の直後という時期もあり、日本馬ワンツーに感動しました。
レース中コースの内側からレースを伝えるカメラに目線を向け続けるトランセンドのかわいさは異常です。「なに?なにしてるの?」って感じで興味津々の塊と化しながら快走しています。
ここ2年は騎乗数も勝ち鞍も減っていますが、2006年には127勝するなど、2002年~2007年までは6年連続年間100勝以上を記録した偉大な騎手です。
特に夏の北海道開催では無類の強さで、札幌・函館は「とりあえず藤田買っとけ」的な強さでした(過去形が悲しい)。
発売当時は「藤田伸二 引退か?!」
競馬メディア、競馬ファンの間でちょっとした騒ぎになった「騎手の一分」。
軽快な語り口で1時間半もあれば一気に読めてしまいます。移動中のお供に最適。
本書は序章、終章を含めて全6章構成。
序章 さらば競馬界
第1章 騎手として大切なこと
第2章 上手い騎手は何が違うのか
第3章 「強い馬」とは何か
第4章 なぜ武豊は勝てなくなったのか
終章 最後に伝えておきたいこと
序章「さらば競馬界」
単純な引退宣言などではなく、やりきった一人の騎手が競馬界の将来を憂い、現状に疑問を呈して意見するよ!という宣言。まさに序章。
第1章「騎手として大切なこと」
個人的には最も感銘を受けた章。1章だけに限らず、この本全体の基礎となっているのは、藤田騎手の競馬への愛情と美学だと感じます。なんとも凡庸な表現だけど。。
でも、特に1章を読んでからレースを見ると、競馬の見方が変わります。冒頭に書いたように、期待通りに走らない馬と騎手への怒りを軽減させてくれる効能ありです。
第2章「上手い騎手は何が違うのか」
「○○騎手の騎乗は認めない」「強い馬に乗っているから勝っているだけ」など、厳しい言葉が並ぶ章。名指しで書かれた後輩騎手は堪らないだろうけど、それが書けるだけの信頼関係があるのだろうと想像します。面白い。
岡部、武豊など一流ジョッキーの凄さを、同じく一流騎手の目線で解説しているのも興味深い。
私達素人は、普段レースを見ていて「あの狭い所を割って来るのだから凄い!」「あんな後方から差しきるのだから凄い!」「○○騎手は、あの展開で最後まで持たせるのだから、やっぱり凄い!」とか、わかったようなことを語ってしまいますし、語って良いのです。だって、それもまた競馬の楽しみ方だから。
しかし同業者目線はひと味違います。
- なぜ、狭い所に突っ込んで行けるのか?
- なぜ、後方一気の脚が引き出せるのか?
- なぜ、最後まで持たせられるのか?あるいは、最後のひと伸びを生み出せるのか?
JRAは謎多すぎ
以降、3章から終章へ続くのですが本の内容を書きすぎてしまいそうなので割愛。読んでのお楽しみです。JRAへの批判満載で大いに楽しめることと思います。騎手がこんなに書いちゃって大丈夫なの?と心配になるぐらい。
でも、現役騎手が書かなきゃいけないほどJRAのやり方はいろいろとマズイのかもしれません。
いちファンとしても疑問に思うことが幾つか。
- なぜ最近、若い騎手があっさり辞めるの?
- 外国人騎手は、皆上手なの?
- なぜ、こんなに外国人騎手を受け入れるの?
- G1の1レースに同厩舎の馬が出すぎじゃない?
- なぜエージェントは非公表なの?
- なぜジャパンカップに強い外国馬が来ないの?(ダートもね)
- なぜ1日に複数のG1レースを開催しないの? など…
本書はこれらの幾つかにも触れていますので、興味があれば読んでみてください。
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